Narah

    白兎いなば(しろうさ・いなば) 初海外で韓国に行ったはいいもののそのまま異世界送りになった少女。 それなりに頭は良いが、思い切りがいいというか、せっかち。 南宮ミル(ナムグン・ミル) 龍族の末裔の少女。ボクっ子。クールだがちょっぴり泣き虫。 金ナレ(キム・ナレ) カササギ族の少女。 ものすごい暴言をつくが、その分人に情けをかけられる優しさも持っている。    
 わたしは走り続ける。ナレを追って。 ナレは赤い月に照らされた空を飛んでいく。 「ナレ速いよぉ…。」 わたしは思わず泣きごとを言う。 それに対してナレは鬼軍曹よろしく暴言を吐く。 「走れクソXXXが!あんたそれでも勇者なんでしょ?え?」 そんなこと言われても、異世界で疲れた身体に鞭打って走っている。 少しでいいから休みたい。 できることなら抜け出したい…。 しかしナレはどんどんと先へ進んでいってしまう。 「あんたの心一つでこの世界を生かすも殺すもできるんだ!だから走って!」 もう何も考えることはできない。 ただ走るだけだ。  すると遊園地が見えてきた。 さらに近づいてみると出入口が草は覆わ
 列車の残光を見送ってしまうと周囲には音も、光もなかった。それどころか下水のにおいだろうか、すごく据えたにおいがして、思わず鼻をつまんだ。  一歩一歩歩いていく。服が汚れることはさっきからないのだが、嫌なにおいと暗闇は続く。 時々ぴちゃん、ぴちゃんとしずくが落ちる音がする。  出口はどこだろう。この荷物を届けなくちゃいけないのに。 見えない出口を探すときほど恐怖に陥ることはない。  わずかでも光るものを探してみると、一つ思い浮かぶものがあった。 ―あの輝きならば少しは何か見えるかも。 身の安全にもなるし一石二鳥と考えて剣を引き抜く。  すると自分の周り
   列車はわたしを未知なる地へといざなう。    車窓には茶色い土の色と、かすかに高層マンション街が見える。反対側を見れば高速道路を逆向きに車が走っていく。    時たま見える看板には四角と丸、そして線で書かれた文章がまるで踊るかのように記されていた。    わたしは今、韓国の仁川国際空港からソウルへと向かう列車の中だ。 わたしにとって初めての海外旅行。なんでこの地を踏んだかといえば、韓国ドラマにはまり、この地に憧れたからだ。ちなみに初めて見たドラマは確か「イ・サン」だったように思う。それから何本も見てきた。    わたしの今回の旅行の目的はロケ地巡り

お問い合わせ先

Talesway oruka@daum.net